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日雇いパンダと極楽の孔

同情するなら笹をくれ

スパークル(RADWIMPS)のただしい歌詞解釈



まだこの世界は僕を飼いならしてたいみたいだ
→つまらない世界が、ここに留まるだけの価値があると思わせてくれるものを与えてくれた


望み通りいいだろう美しくもがくよ
→誰かのために奮闘する姿ほど美しいものはない、それが弱い人間同士、お互いのために為すものならなおさら


互いの砂時計眺めながらキスをしようよ
→互いに死にゆく存在ではあるが、だからこそ育まれるべき愛を形にする作業が必要である


「さよなら」から一番遠い場所で待ち合わせよう
→別れの真反対に位置する新しい(命との)出会い、今日はこのベッドで子作りセックスに励もう




辞書にある言葉で出来上がった世界を憎んだ
→これほど素晴らしい営みを言葉で表現することすらできない世界はなんて頼りないものなのだろう


万華鏡の中で八月のある朝
→初夜の翌朝は全てが輝いて見えた、しかしこの光は絶妙なバランスとタイミングの上に存在しているのだろう


君は僕の前でハニかんでは澄ましてみせた
→達成感と恥じらいのせいではにかむ彼女、そして照れ隠し


この世界の教科書のような笑顔で
→儚くて脆い世界を投影したこの際どい表情を守ること、これがこれからの僕に課せられた使命だろう




ついに時はきた昨日までは序章の序章で
→いままでのセックスは今日までの予行演習にすぎない


飛ばし読みでいいからここからが僕だよ
→命の設計図を送るから半分だけ読んでほしい(減数分裂のこと)、そこに僕が何者なのか詰まっている


経験と知識とカビの生えかかった勇気を持って
→恋人から夫婦や両親になる覚悟はできていたつもりだが、それが真に固まったのは今


いまだかつてないスピードで君のもとへダイブを
→僕の今まで生きてきた時間が刻まれた遺伝子を一夜にして、君に注ぎ込む




まどろみの中で生温いコーラに
→セックスが終わり、部屋にこもった熱気のせいでコーラがすっかり温くなっている


ここでないどっかを夢見たよ
→ゆるやかに温度が上がったこのコーラのように、新しい命がゆっくりと無尽蔵の熱を生み出そうとしている


教室の窓の外に
→僕がかつて見た学校の窓からの景色や


電車に揺られ運ばれる朝に
→やがて働き始め、通勤ラッシュに翻弄される僕と同じような景色を僕らの子孫も目にする日がすぐにやってくる




運命だとか未来とかって言葉がどれだけ手を
伸ばそうと届かない場所で僕ら恋をする
→言葉だけの綺麗事はいらない、手の届かない子宮を揺り動かすこの行為にのみ意味がある


時計の針も二人を横目に見ながら進む
→この子作りは歴史に刻まれたものでもう後戻りはできない


こんな世界を二人で一生、いや何章でも生き抜いていこう
→後戻りできないからこそ先に進むことだけ考えなければいけない、半分ずつを受け継いだもう一つの僕らに、僕らが死ぬよりももっと先の先まで生きていってほしい、そしてそれは何代も先までずっと続くように




「初めまして」なんてさ遥か彼方へと追いやって
→先祖が代々続いてきた長い長い時間を形にしたものが僕らだから


千年周期を一日で息しよう
→今日この一日は千年に等しい、生きるというのは時間を凝縮する過程のことでもある


嘘みたいな日々を規格外の意味を悲劇だっていいから望んだよ
→本当の意味で生きているとは言えないような、神が適当に作ったような僕の平坦な生活をどうにかして壊し破りたい


そしたらドアの外に君が全部抱えて立ってたよ
→まるで僕の思いを感じ取ってくれたようなタイミングで家に来てくれた君、現代科学の規格の外にある超能力のようだ




運命だとか未来とかって言葉がどれだけ手を
伸ばそうと届かない場所で僕ら遊ぼうか
→子宮に子種を注ぐ


愛し方さえも君の匂いがした
→いつも不器用でどこか危なかっしい君の生き方はセックスにも如実に表れている


歩き方さえもその笑い声がした
→膣、近い将来産道へと変わる道が擦れて鳴る音すら幸せの象徴に聞こえてくる、弱い人間はお互いの肩を貸さなければ無事に歩き続けられないことも同時に示す




いつか消えてなくなる君のすべてを
→僕らが生きた時間は子どもたちへと継承されていくが、君の肉体そのものはいずれなくなってしまう


この眼に焼き付けておくことは
もう権利なんかじゃない義務だと思うんだ
→君の身体が放ったほんの一瞬の光、スパークルを死ぬまでの短い間、心に強く留めておくことは生を紡ぐ媒体としての肉体に対するリスペクトであると同時に、一瞬をないがしろにしては永い時間への旅などとても叶わないこと、いまを大切にするということはまだ見ぬ子孫たちに寄り添う唯一の方法であると気づいた