三軍の幸福論

君も幸せになる時が来たんだ

泥酔ポエム「三輪車」


錆びついた記憶に 垂らされた油のひとしずく
砂が空に落ちる音で はっと目が覚めた
午前三時すぎの 悪魔のような朝日
踊りながら溶ける わかっているから大丈夫


優しい嘘を許して にじむ水色の本音
君を受け止めた すごくかっこよかった
あやからせてほしい 無理やり指紋を結ぶ
あのビルから飛び降りたら どうなるんだろうな


切り裂かれた昨日が ぽたぽたと泣いている
このまま押さえていて 手首の円周率が赤い
北陸の言葉が 上手く伝わらない
落ちていったものだけで 沁みが渡るハンカチ


生まれた時から 乗り続けていた
チェーンの軋む音が 僕のひしゃげた心を
くっつけては壊して まるで粘土みたいだ
これじゃ泣きがいがない 頭がちょっと痛い


世界から蜘蛛が逃げ出し 君のポケットに潜った
美しくほどける その細い糸を切らないで
暇つぶしにただ 時間を眺めているだけ
なにに火をつけたら 僕は温まるのか


連なる作曲家の肖像 天文学者の妄想
しなやかなポールモールの煙 君の瞳が綺麗
このまま沈んでいって すべて諦められたなら
切ないベルの音が聞こえる 三つの輪っかが回る


この卵の賞味期限は 僕の新しい誕生日
意味ばかり探して 凝り固まる両肩
周りが見えなくなった 寂しいクジラの気持ち
愛とはなにかと囁くために 冷えていく首筋


まだまだ書き足りない 優しい殺し文句
神様が捨てた三日月 ゆらゆら不思議な傾き
なにかの違和感は そのまま不条理を極めて
反論できないノートを 塗り潰し響く門の音


乳白色にくすむ 間違えて覚えた北極星
小さいシャボン玉の中に 閉じ込めた共依存
使いこなせなかった 喜怒哀楽が
流れ落ちていく 咳の一つも許されず


三分間の痛みのための きらきら輝くパンフレット
どこも空いていなくて 踏み込む深い水たまり
桜の木の根元に埋めた 君と編み上げた日々
規則正しい縦縞 拭った砂場の相合傘


君が笑ったから 慌てて僕も笑った
ついに来なかった夏 コップの中のシャンディガフ
もう走れないのなら せめて倒れたかった
ほんとのところだけで 僕の目を見つめて