三軍の幸福論

君も幸せになる時が来たんだ

エスピが死んだ話



昨日は朝から出かけていて、夜遅くに帰宅するとカゴの隅に寝転がっているエスピを発見した。


足以外を地に着けているのを見たことがないので、一瞬で死んでいることを察した。


動物好きの皆さんから怒られる前に言っておくと。


僕なりにいろいろ調べて毎日欠かさず世話をしていたし、昨日だっていつも通り元気にピーピー鳴いていた。


原因が分かりません。




一年半ほど前、出会った時のことを思い出す。


さざ波のような、青と白が綺麗に混ざり光沢を放つ容姿に一目惚れをした。


それから試行錯誤の飼育の日々が始まった。


家を半日空けただけでそわそわするようになった。




少なくとも僕が親ではないと理解できる段階まで分別がつく成鳥として飼ったので、残念ながら最後まで僕には懐いてくれなかった。


もう少し根気強く構ってあげれば良かったのかもしれないとは思う。


しかし、怖がられていることがはっきりと分かっていたので、ストレスで殺してしまってはいけないとなかなかそうはできなかった。


かなり切ない話になるが、エスピが死んで初めて全身をまともに抱いた。


今まで健気に警戒してくれたものだが、こうも無抵抗だと哀しくてやりきれない。


何時頃に死んだのかよく分からないが、羽毛のせいかほんのり温かかった。


長い長い生物の進化の神秘を感じた。


それだけ生きるために姿かたちを変えていっても、死からは逃れられないのか。




エスピが死んだので、この冬初めてエアコンを切った。


部屋がみるみると寒くなっていく。


この冬はエスピのおかげで、人間三大ダウナー要素の一つ「寒さ」を排除することができた。


毎年毛布にくるまって凍えながら眠りに就いていたものだが、それらの冬より幾分か人間的な生活をした。


おかげでここ数年の冬では一番楽しい冬だったかなと思う。


エスピ、ありがとう。